この記事は 弥生 Advent Calendar 2025 の13日目の記事です。
こんにちは、弥生でQLをしているO(オー)です。
つい先日までエンジニアとして開発に携わっていましたが、このたびQL(Quality Leader)へと役割を移しました。 そこで、今回は「弥生のQLとはどんな仕事なのか?」のご紹介も兼ねて、私自身のQLデビューの記録をまとめてみました。
品質に関わる業務に興味がある方やキャリアの転換を考えている方にとって少しでも参考になれば幸いです。
👉エンジニアだった頃の記事はこちら:エンジニアがお客さまの声を聴いてみた
1.突然の打診、そしてQLデビューへ
入社5年目の私はエンジニアとして経験を積みつつ、「いずれはPMなどといった立場からマネジメントや組織運営にも携わりたい」と考えていました。
そんなときに、突然「QLをやってみませんか?」とお声掛けをいただきました。
「PMを目指しているのにQLになってもいいのかな」
「そもそもQLが何をしているのかよく知らないけど大丈夫?」
一抹の不安はよぎりましたが、挑戦を決めた私は打診から僅か1か月後にQLとして緊急デビューすることになりました。
2.弥生のQLって何者?
まずはQLとはなんぞやというところを簡単にご紹介します。
QLは弥生独自の役職であり、「Quality Leader」、つまり品質リーダーを指します。上流工程からプロダクトの品質を管理し、品質を軸にプロジェクトを成功に導くことを役割としています。
いわゆるQAに近いですが、一般的なQAとは以下のような違いがあります。
弥生のQLと一般的なQAの違い
| 観点 | 弥生のQL(Quality Leader) | 一般的なQA(Quality Assurance) |
|---|---|---|
| 立場 | “品質PM”に近い実務リーダー | 品質保証の専門職 |
| 目的 | プロジェクトの品質責任者として、リリース可能状態をつくる | 要件が満たされているかを検証し、不具合の早期発見・品質担保を行う |
| 関わり方 | 特定プロジェクトの中心でPM・TechLと並列に動く | 開発チームの一部として、仕様理解・テスト・レビューなど品質確認に参加する |
| 活動範囲 | 上流からの品質作り込み、障害分析、品質施策、テストの管理、リーダーとしてのリリース可否判断 | 主にテストフェーズ中心にプロセス整備、テスト設計・自動化、品質改善 |
| 品質への関わり | プロジェクト固有のリスクを踏まえ、必要な対策を判断し実行する「品質の意思決定者」 | テスト結果を通じて品質を可視化し、改善点をフィードバックする「品質データの提供者」 |
QLは品質を専門としながらも、QAよりも更にプロジェクトに寄り添いPMと同じ目線でプロジェクトの成功に責任を持つ“品質PM”に近い立場なのです。
3.新米QLが実際に何をしているのか
次に、実際のQL業務の流れについてお話しします。
前提として、QL業務に「これさえやれば正解」という定型はありません。 品質を守るために状況を観察し、必要なことを考え、決めて、実行していく必要があります。
エンジニアの頃は、設計・実装・テストといった、比較的明確なタスクに取り組むことが中心でしたが、QLの業務は抽象度が高く、状況に応じて自ら課題を見つけに行く必要があります。
私の場合は先輩QLにご相談し、ひとまず次のような活動を軸にすることとしました。
- ①品質目標と進め方の設計
- 何をもって「品質が十分」と言えるのか、その基準と計画を明確にする
- ②プロジェクト状況の可視化
- 課題管理ツールの情報を整備し、品質判断の土台となるデータを維持する
- ③テスト計画と実行の統括
- 何をどの順序で検証するかを設計し、品質リスクを事前に潰す
- ④障害分析と施策の立案
- 原因や傾向を読み解き、プロジェクトの品質を底上げする施策を用意する
- ⑤プロセス運用の監視と軌道修正
- 誤った進行で品質リスクが増大しないよう、上流からブレーキをかける
- ⑥品質リスクの提示とリリース判断の支援
- 最終的に「だから世に出して大丈夫」と説明できる状態をつくる
4.やってみて気づいた“QL一年生の壁”
正直に言うと、今の私は上に挙げたうちの半分ほどしか十分にできていません。。
やるべきことは多く、そのうえ 「何をどこまでやれば十分なのか」が明確に示されない のがQL業務の難しさです。 日々のタスク対応で手一杯になり、優先度の高い作業をこなすので精一杯。先輩QLから教えてもらった知見やアプローチを取り入れたくてもなかなか実践まで手が回らない。
成果も数字で測りにくく、手応えを感じづらい場面が続いてじわじわと無力感のようなものを抱く瞬間が増えてきました。
5.ヒントを探しにJaSST
そんなこんなでいろいろ躓きを感じたこともあって、「何かヒントを拾えないか」と思った私は、JaSST に参加してみました。
※JaSST:Japan Symposium on Software Testing - ソフトウェア業界全体のテスト技術力の向上と普及を目指すソフトウェアテストシンポジウム
その道の有識者のお話を聞けば「正解」が見つかって私にもぱっと道が開けるかも…という期待を胸に抱えてイベントに臨み、以下の学びを得ました。
- やっぱり“これが正解”というものはない(本当にない…!)
- AIや自動化をうまく使いながら、とりあえず試して改善していくのが大事
そして意外だったのが、
長く品質の仕事をしている人たちもみんな模索し続けている ということ。
「自分だけが(経験不足で)迷ってるわけじゃないんだ……!」と気持ちが軽くなりました。
6.QLというキャリアで得られた視点と、これからのこと
■まとめ:QLという役割
QLは、品質の専門家でありつつ、PMと同じ目線でプロジェクトの成功に責任を持つ“品質PM”のような立場です。
■QL一年生の今とこれから
私はQLとしてまだまだ経験不足で、余裕が少ないが故に「したいこと」と「実際にできること」のギャップに悩む場面も多いですが、 最近ようやく、日々のタスクに加えて“+α”の取り組みを考えられる余裕が出てきました。 これからは 小さく試す → 振り返る → 改善する のサイクルを意識して回して模索を続けたいと思います。
より良い品質管理を目指して邁進します!
■さいごに:キャリアとしてのQL
PMを目指す中でのエンジニアからのジョブチェンジは不安もありましたが、今は挑戦してよかったと心から思っています。
課題を見つけて行動に移す力や品質に向き合う姿勢は、プロダクト開発に携わる限りどの役割でも活きる長期的な資産になるはずです。 将来的にマネジメントを目指す方にもおすすめのキャリアだと思います。



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