この記事は 弥生 Advent Calendar 2025 の14日目の記事です。
こんにちは。プロダクトデザイナーのツダです。
UIUXデザインでは、さまざまな心理学の法則が応用されています。
実はそれらは、日常の広告物や、季節ごとに移り変わるモチーフの中にも数多く潜んでいて、
「目に入るものすべてがデザインの学び」と言ってもいいほどです。
とりわけ季節イベントは、観察すると本当に気づきが多いもの。
なかでもクリスマスは、街中の装飾も一段と盛り上がり、デザイン的にも学びどころの宝庫と言える季節です。
今日は、みんな大好きサンタさんと、ゆかいな仲間たちにお越しいただき、デザイン×心理学の視点から見た「良い子デザイン・悪い子デザイン」を、一緒に楽しくひも解いていきたいと思います!
それではサンタさん、よろしくお願いします✨
はじめに
ホッホッホ、わしじゃ。サンタじゃ。🎅

みんな今年も良い子にしておったかのう。
やんちゃをしすぎた子もおるようじゃが……わしはだいたい全部見とるからのう。
クリスマスの季節になると、世界中でツリーや雪の結晶が使われるようになるじゃろう?
あれはのう、単に可愛いからじゃなくて、見た瞬間に伝わる力を持っておるからなんじゃよ。
今日はこのサンタが、何百年もクリスマスプレゼントを配ってきた中で、
こっそり気づいたデザイン心理の秘密を紹介していくぞい。
暖炉の前でひざかけでもしながら読むのじゃよ……ホッホッホ。
登場人物紹介
🎅 サンタ(わし)
北極在住のベテラン配達員。
長年の勘と、最近ちょっとかじった心理学でデザインを語りたがる老人じゃ。
🦌 トナカイたち
足の速さ、気配り上手、光る赤鼻など、それぞれ得意分野を持ったチーム。
🧝 エルフたち
サンタ工房のスタッフ一同。飾りつけが大好きでついつい盛りすぎる。
🎅 サンタ帽 × ヤコブの法則

「ユーザーは“見慣れたデザイン”を好む」
まずはサンタ帽じゃ。これだけはのう、もう何百年も、色と形が変わらん。
ちょっと変えるだけで世界中の子どもたちが「あれ?サンタじゃなくね?」とか言うから、
怖くて変えられんのじゃよ。
⭕良い例
- 典型的な色・形を崩さない
- コントラスト・輪郭で「見慣れたサンタ帽」を維持
❌悪い例
- 赤と白 ⇒ 青と白に変更
- 今年はイメチェンでちょい悪系ニットキャップに変更
👉学び
ユーザーは「サンタ帽=この色と形」という経験値をしっかり持っておる。
これを裏切ると、たちまち混乱してしまうのじゃ。
既視感を味方につけたデザインは強いぞい!
🎅サンタ「昔一度だけニットキャップにしてみたら、煙突の下で待っとった子に不審者だ!と騒がれてのう……あれは心がバキバキに折れた夜じゃった……ホッホッホ。」
🧝古参エルフ「サンタ、あれ本当に似合わんかったですぞ。」
🧝若手エルフ「わたし正直ちょっとヒヤッとしました……」
🎅サンタ「いやお前たち、それを事前に言ってくれんか……ホッホッホ。」
🎄 クリスマスツリー × アフォーダンス

「見た瞬間にツリーじゃとわかる力」
アフォーダンスとは、見た目の形や色から、直感的に意味が伝わる性質のことじゃ。
クリスマスツリーは、この力がとても強い。
緑色・三角形のシルエット・てっぺんの星
これらだけで、誰でも「ツリーじゃな」と理解できるんじゃ。
⭕良い例
- 三角のシルエットを大事に保つ
- 星をひとつ、堂々とてっぺんに
❌悪い例
- 飾りを盛りすぎて三角形に見えなくなる
- 星が装飾に埋もれてしまう
- もはやツリーというより派手なブロッコリー
👉学び
まず、ひと目で伝わる形を大事にすることが、良いデザインへの近道じゃよ。
🎅サンタ「飾りつけは毎年の楽しみなんじゃが……エルフたちが飾り倒すものでな、派手なブロッコリー事件は毎年の恒例行事になっとるんじゃ……」
🧝古参エルフ「サンタ、今年こそ控えめに……と思っておったのですがのう……手が勝手に……」
🧝若手エルフ「飾りのキラキラを見ると、どうしても手が止まらなくて……!」
🎅サンタ「欲求に負けるでないわい。」
❄️ 雪の結晶 × ゲシュタルトの法則

「複雑でも美しい、ひとつの形に見える理由」
ゲシュタルトの法則とはのう、人はものをまとまりで見ようとする性質があるという考え方じゃ。
雪の結晶は、この法則がいくつも働いとる完璧な例なんじゃよ。
- 類同:似た形が繰り返される
- 近接:近い位置の線をひとまとまりとして見る
- 対称性:左右バランスが整っていると「ひとつの形」に見える
これらが合わさることで、細かい線があっても「美しい雪の結晶」として認識できるんじゃ。
⭕良い例
- 主線を太めにして、最小サイズでも形が残るようにする
- ディテールを削り、六角形の「核」を大事にする
❌悪い例
- 線が細すぎて縮小すると「ただの点」
- 「雪なのかホコリなのか」見分けがつかん
👉学び
人間は、小さく細い要素を見るのが得意ではないのじゃよ。
雪も溶けやすいが、アイコンまで溶けてどうするんじゃ。
どんなサイズでも意味が伝わるアイコンこそ、良いプレゼントになるんじゃ。
🎅サンタ「昔工房で、超凝った形の雪の結晶アイコンを採用したらのう……エルフ全員が『画面にゴミがついとりますよサンタさん』と言いよるんじゃ。あれはさすがに傷ついたわい……ホッホッホ。」
🧝古参エルフ「だってのう……本当にゴミにしか見えんかったんですぞ。」
🧝若手エルフ「しかもサンタさんのデスク、実際にちょっとホコリ乗ってました!」
🎅サンタ「そこは黙っとれい。」
🦌 トナカイ × ヒックの法則

「選択肢が多すぎると、決断できんのじゃ」
ヒックの法則とは、選択肢が多いほど、人は迷ってしまうという心理じゃ。
これは毎年、トナカイのチーム編成で大問題になるんじゃ。
わしはセンターのトナカイを選ばねばならんが……
- 足が速いトナカイ
- 曲がりが得意なトナカイ
- 雪に強いトナカイ
- 力持ちのトナカイ
- 高く跳べるトナカイ
- 気配り上手なトナカイ
- 赤鼻が光るトナカイ
……とみなそれぞれに個性があって、毎年迷いに迷うのじゃ。
⭕良い例
- 候補を3つ程度に絞る
- それぞれの特徴をはっきり示す
→ すぐ決断できるようになるのじゃ。
❌悪い例
- 候補が多すぎて決められない
- どれも良さそうに見えて判断が遅れる
→ メニューやボタンが多すぎるUIと同じ問題じゃ。
👉学び
選べるものが多いほど、脳は「どれにするんじゃ…?」と迷ってしまうんじゃよ。
必要な選択肢だけを用意することが、迷わせないデザインの秘訣なんじゃ。
🦌足が速いトナカイ「最高速度が自慢だ!」
🦌雪に強いトナカイ「いやいや、雪国は俺の領分だ!」
🦌高く飛べるトナカイ「上空から偵察できるぞ!」
🦌気配り上手なトナカイ「皆の動きを見ながら、隊列が乱れぬよう整えております!お茶をどうぞ!」
🦌赤鼻が光るトナカイ「わ、わたくしは……鼻が赤く光るぐらいでして……その……」
🧝古参エルフ「サンタ、わしらで今年の3候補まで絞っておきましたぞ!」
🎅サンタ「助かった!これが世に言うヒックの法則じゃよ……ホッホッホ。」
🎅 サンタ的・総まとめ
良いデザインは、こんな法則で成り立っておるぞい!
🎁 良い子デザイン
- ユーザーになじみのある体験を大切にする(ヤコブの法則)
- ひと目で意味が伝わる(アフォーダンス)
- 要素がひとまとまりに見える(ゲシュタルトの法則)
- 最小限の選択肢で迷わせない(ヒックの法則)
😅 悪い子デザイン
- 慣れない体験で戸惑わせる(ヤコブ違反)
- 盛りすぎて意味が埋もれる(アフォーダンス消滅)
- 要素が整理されていない(ゲシュタルト不成立)
- 選択肢が多すぎて決められない(ヒックの法則違反)
デザインもクリスマスプレゼントも、結局大事なのは「ちゃんと届くこと」なんじゃよ。
心理学を味方につければ、あなたのデザインも、
ユーザーにしっかり届く最高のプレゼントになるじゃろう。
ではみなさん、メリークリスマスじゃ!🎄🎁
そろそろ寝ておるトナカイたちを起こして、また準備をせねばならんのう……ホッホッホ。

最後に弥生からのお知らせ
「弥生会計 Next」が「2025年度 グッドデザイン賞」を受賞しました🎉
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