この記事は 弥生 Advent Calendar 2025 の19日目の記事です。
はじめに
こんにちは!弥生株式会社でデータエンジニアをしている新卒の川上です。 普段は社内のデータ活用を推進するため、データ基盤の整備やデータ抽出業務などに携わっています。
先日開催された「Databricks DATA+AI WORLD TOUR TOKYO 2025」に参加してきました。
基調講演や、懇親会では、キラキラした照明と高揚感を煽る音楽演出に包まれ、まるで海外のテックイベントに来たような「パーティ感」に圧倒されました。発表者が変わるたびにかかる音楽が、ワクワクをさらに引き立ててくれました。
英語講演への対策、していますか?
今回の学びの一つは、「いつ英語講演が始まってもいいように準備しておくこと」。 Databricksのイベントということもあり、基調講演の中で英語のセッションが一枠ありました。リアルタイム翻訳機を使う人(後で気付いたのですが、会場で借りられたらしい、、、)、スマホで和訳を見る人…。「話せなくても、聞く準備はしておかないと学びの機会を逃す」と痛感しました。次は万全の対策で挑みたいと思います!
そんな熱気の中で私が再燃させたのは、「早くAIに触りたい!業務に活かしたい!」という純粋な好奇心。 本記事では、Databricks初学者の視点から、「AIエージェントの進化」、「明日から使える技術」まで、余すところなくレポートします。

1. AIエージェントの進化:チャットから「実行」へ
今回のイベントで最もワクワクしたのは、Agent BricksをはじめとするAIエージェントの進化です。
衝撃の「Agent Bricks」:日本語で指示するだけで自動調整
これまでAI構築には複雑なパラメータ調整が必要でしたが、Agent Bricksは「日本語でざっくり役割を指示して、データを渡すだけ」で本番レベルのエージェントが作れる世界観を提示していました。
- MyGPTのような親しみやすいUI:直感的にソースを追加したり、指示を出したりできるのが感動的でした。
- ALHF (Agent Learning from Human Feedback):例えば「1995年以前のデータは無視して」と自然言語でフィードバックすると、AIがその意図を理解し、システム全体のパラメータを自動調整してくれます。
- 自動最適化:プロンプトやモデル(Google, Meta, Claudeなど)の組み合わせを、コストと品質のバランスを見て自動で選んでくれます。
- 評価の自動化:AIの回答が正しいかどうかの「評価ベンチマーク」さえも自動で作成してくれる機能には驚きました。
思考するリサーチャー「Genie Research Agent」
単にSQLを書くだけでなく、「Why(なぜ売上が落ちたのか?)」に答えるために、仮説検証と追加質問を繰り返す「Genie Research Agent」も紹介されました。 「週1回購入する顧客を週2回にするには?」といった問いに対し、シニア層には電話サポート、若年層にはサブスク…といった施策提案まで行ってくれるデモは、新卒の僕からすると自分の仕事への危機感を抱きました。
2. 技術深掘り:LangChainとLangGraphって何?
セッション(特にイオン様の事例)を聞く中で、初学者の私にとって大きな学びだったのが、AIエージェントを裏で支える技術の理解です。
- LangChain(基本フレームワーク)
- LLMという「脳みそ」に、外部データや計算機能といった「手足」をつける接着剤のような存在。
- これを使うことで、PDF検索(RAG)などが簡単に実装できます。
- LangGraph(自律型エージェント構築ツール)
- LangChainが「一直線の処理」を得意とするのに対し、LangGraphは「試行錯誤のループ」を実現します。
- 「コードを書く→エラーが出た→修正して再実行」といった、人間のような反復行動をAIにさせるにはこれが必要不可欠だと学びました。
3. 初学者が持ち帰った「技術的な感動ポイント」
事例以外にも、「これなら自分でもできるかも!」と思える機能や学びがたくさんありました。
💎 SQLで「AI」が使える(AI Functions)
「Databricks SQL」のセッションで驚いたのが、SQLのクエリの中にAI関数を組み込めること。
例えば SELECT AI_analyze_sentiment(review_text) ... のように書くだけで、感情分析ができてしまいます。これならPythonが苦手な人でも、SQLだけで高度な分析が可能です。
📊 Excel / Googleスプレッドシート直結 (Lakeflow Connect)
「Lakeflow Connect」を使えば、普段使っているExcelやGoogleスプレッドシートから、Databricks上のデータに直接クエリを打って分析できるそうです。 「データを抽出して、CSVにして、DBに入れて…」という面倒な手間がなくなり、「Excelから直で分析」できるのは革命的だと感じました。
🎓 学生・初学者に朗報!「Free Edition」
基調講演で発表された「Databricks Free Edition」。学生などが勉強のために無償で使える環境が提供され始めています。 これがあれば、研究や個人の学習が捗りそうです。私も早速触ってみたい!
4. マインドセットの変革:AI時代の働き方
AI成功の鍵は「コンテキスト」
Anthropic社の講演で「AIプロジェクトの成功と失敗を分けるのは、コンテキスト(背景情報)をどれだけ理解してもらうか」という言葉がありました。 どんなに優秀なAIでも、私たちが正しくデータを渡し、背景を伝えないと力は発揮できません。これからデータ抽出の自動化を行う際も、コンテキストの整理が肝になりそうです。
おわりに:これからのアクション
今回のイベントを通じて、データ活用の未来は「コンテキスト(文脈)を理解したAIとの協働」にあると痛感しました。 「ビジネス力」「データサイエンス力」「データエンジニアリング力」の3つを掛け合わせることが重要だという学びを胸に刻み、まずは以下のステップで進めていきます。
- 触ってみる:Free EditionやSQL Editorを活用し、まずは手を動かす。
- エージェントを作る:イオンの「AI Judge」を参考に、自分の業務を助けてくれるエージェントを作ってみる。
- 仲間を増やす:マーケティングや他部署の人とも積極的にコミュニケーションを取り(Be Open)、データを共通言語にしていく。
AIは「すごい技術」から「使える同僚」になりつつあります。この波に乗り遅れないよう、楽しみながら学び続けていきます!
実はDatabricks DATA+AI WORLD TOUR TOKYO 2025、弥生も登壇していました!




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