はじめまして、Misoca 開発チームの日高 @hidakatsuya です。昨年 10 月より、島根県松江市からリモートで Misoca の開発に携わっています。Ruby を使い始めたのは 2007年で、Ruby 1.8.6、Rails 1.2.6 という時代でした。懐かしい。Ruby 向けのオープンソース帳票ツール Thinreports の開発者だったりもします。
さて、冒頭でも書いたように、私は島根県に住んでいます。そんな私が愛知県にオフィスを構える Misoca で仕事ができるのは、リモートワークができる環境があるからこそです。そこで、今回はそんな Misoca のリモートワークについてご紹介したいと思います。
Misoca におけるリモートワークと環境
メンバーの多くが通勤圏内に住んでいることもあり、基本的にはオフィスに出社しますが、Misoca ではメンバーの環境や都合によって、いつでもリモートワークを選択することができます。
そのため、常にリモートでの作業を意識した業務環境・プロセス作りを行っています。その辺りのことは、また別の機会にお話しするとして、ここでは Misoca におけるリモートワークについて簡単にご紹介します。
オフィス環境
- ビデオ共有・通話は Google ハングアウト
- スピーカー・マイクは YAMAHA FLX UC 500
- オフィス全体が見渡せる位置にカメラを、中央机にスピーカー・マイクを設置
オフィスとリモートを常時接続
Google ハングアウトによって、オフィスとリモートを常時接続した状態にすることで、リモートのメンバーも常にオフィスの様子を見たり会話を聞くことができるようにしています。
Google ハングアウトとリモートワークについては、以下のエントリーで詳しく書いています。
通常は 1〜3人がリモート
私を含めて、通常は 1〜3人、多い時は 6人ぐらいがリモートで作業しています。割合としては 2, 3割でしょうか。
メンバーのリモートワーク環境
個人的に興味があったこともあり、Misoca メンバーそれぞれのリモートワーク環境について聞いてみました。質問は下記の 7項目。
- どんな時にリモートワークする?
- カメラは何を使ってる?
- マイク・スピーカーは何を使ってる?
- ネット環境は?
- 作業場所の環境は?
- その他こだわりなど
- リモートワークで辛いことは?
では、質問ごとに回答をまとめてご紹介します。回答の横に数字が付いている場合は、多かった順に並べてあります。
リモートワークはどのくらい活用されているか
まず、回答を紹介する前に、Misoca におけるリモートワーク活用状況を見ていきます。
活用頻度 | 人数 |
---|---|
リモートワークのみ | 2人 |
基本リモートワーク、時々オフィス | 2人 |
基本オフィス、時々リモートワーク | 8人 |
ほとんどリモートワークしない | 3人 |
「リモートワークのみ」の2人以外は通勤圏内に住んでいますが、そのほとんどのメンバーがリモートワークを活用しています(少なくとも1度はリモートをしたことがある)。なお、「リモートワークのみ」の2人はいずれも愛知県外在住です。
Q. リモートワークするのはどんな時?
- 天候が悪い時(台風とか)
- 休むほどではないが、自身の体調がすぐれないとき
- 家族の体調が悪いとき、家庭の事情
- 実家に帰る時
- 資料作成など割り込みをなくして集中して終わらせたい仕事があるとき
- MTG の日はオフィス、それ以外はリモートで集中してもくもくする
これらはいずれも、ネットと PC さえあれば仕事ができるリモートワークならではの理由だと思います。 また、集中しやすいという長所を使って、オフィスとリモートを使い分けるなどの工夫も。
Q. カメラは何を使ってる?
- 作業 PC 内臓のカメラ
- 作業 PC とは別に用意した PC の内臓カメラ
- 外付けの Web カメラ
- iPad mini
作業 PC(メンバーの多くは MacBook Pro/Air)の内臓カメラを使っているメンバーがほとんどでしたが、ハングアウトは割とリソースを食うので別に PC や iPad mini などを用意しているメンバーもいます。私も作業用とは別の MacBook Air 内臓カメラを使っていますが、画質や使い勝手に不満はありません。
Q. マイク・スピーカーは何を使ってる?
- iPhone 付属のイヤフォンマイク
- 適当に買ったイヤフォン、1000円とかの
- 音声入力と出力をそれぞれ別に用意
- MacBook Pro 内臓マイク・スピーカー
イヤフォンマイクが圧倒的に多く、そのほとんどが iPhone 付属のイヤフォンを使っています。私も当初は MacBook Air の内臓マイク・スピーカーを使っていましたが、音が聞き取りづらく iPhone のイヤフォンマイクに落ち着いています。線が煩わしい時もありますが、入出力共に品質が良くストレスがありません。
また、iPhone イヤフォンの良さとしては
- iPhoneについてくるイヤフォンマイクは、適度に外の音も聞こえるので良い
- 他のインナータイプのイヤフォンでは、外の音がまったく聞こえなくて不安になる。自分の声が響くので話しづらい
といった意見もありました。確かにそうかも。
Q. ネット環境は?
- 光 + Wifi
- 光 + 有線
ほとんどが「光 + Wifi」のようです。リモートワークをする場合、メンバーは常にハングアウトに接続していますが、光であれば Wifi でも問題ないようです。
Q. 作業場所の環境は?
- 自宅
- スタバ、コメダ珈琲
- コワーキングスペース
自宅がほとんどで、外出時はスタバ・コメダ珈琲をよく利用しているようです。また、自宅の中でも自室やリビングのデスクで作業することが多いようです。私も、当初はちゃぶ台 + 座椅子で作業していたのですが、3日もかからず腰が崩壊してしまい、急いでニトリでデスク一式を用意しました。
コワーキングスペースは、旅先などで仕事をする際には便利ですね。下の写真は、以前メンバーが利用した際の様子です。また、旅先だけでなく気分転換や運動のために定期的に利用しても良さそうです。 が、残念ながら松江にはコワーキングスペースがありません。 (訂正)駅前の松江オープンソースラボなど、コワーキングスペースとして利用出来るところがいくつかあるようです(twitter で教えていただきました)。
Q. その他こだわりなど
- 外で作業する時は、ゴールと時間を決めて一気に終わらせる
- 椅子にこだわり(バロンチェア)
- 作業用の PC でハングアウトすると重くなるので別の PC や iPad mini を使う
- 気分転換に腕立て伏せをする
- ニトリの「モチモチクッション」を使う。すごくもちもちしていて気持ちいい
- ハングアウトの PC は有線にする
- AWS EC2 上のインスタンスに作業環境を用意して、旅先などではこれを使う
長時間座って作業することになるので、その対策としての工夫が目立ちます。私も、昼休みはコンビニまで散歩したり、気分転換にストレッチするなどしています。
Q. リモートワークの良いところ・辛いところ
良いところ
- 部屋の温度・環境を自分好みにアレンジする
- 暖房や音楽などが自由に決めれるのはリモートならでは
- 昼休憩で仮眠しやすい
- 通勤時間を家事やプライベートに使える
- 昼ごはんを家族と食べられる
- 長期の休みでなくても実家に帰省できる
- タスクに集中しやすい
- リモートワークしている人と話しやすい
- 仕事が終わった瞬間に家にいることが素晴らしい
- 子供の体調が悪いとき、保育園に預けなくても自宅で看ながら仕事ができる
これらの多くは「リモートワークをするのはどんな時?」の動機になっているものばかりですね。部屋の温度や環境を自分の好みに出来るのは確かにそうで、温度は人によって感じ方が異なるので、人が増えるほど調整が難しかったりします。夏や冬場では地味に嬉しいポイントかもしれません。
辛いところ
- 子供が小さいと家にいるのに遊んでもらえなくてかわいそう。遊んであげたいし辛い
- まれに映像や音声が悪くなる
- 子供や家族の声をマイクが拾ってしまう
- 姿勢が悪くなったり、腰を痛める
- 運動不足
- 近所の人や子供から心配される
- 家事を手伝わされる
- 手書きの図でのコミュニケーションが難しい
- ハングアウトの PC を作業 PC とは別にしていると、画面共有がちょっと面倒
- オフィスで電話が鳴ったときドキドキする
- 雑談に参加しづらい
- オフィスにいる人がお菓子を食べながら煽ってくる
ずらっと書きましたが、大きく、
- 環境
- コミュニケーション
- 健康
の問題に分けることができそうです。集中しやすい環境を用意することと、オフィスのメンバーとのコミュニケーションをいかに円滑にするかが主な課題と言えそうです。私もつい最近までは首の痛みに悩まされていましたし、運動不足は今も課題です。特に、常時リモートワークの場合は通勤がないため、下手をすると 100 歩程度しか歩かない日もあります。朝の散歩や休日のジョギングなど、プライベートな時間も含めた長期的な対策を考える必要があります。
また、その他には「リモートワークできること自体が有り難い」という意見もあったのが印象的です。
最後に
いかがでしたでしょうか。
昨今、ワークスタイルの一つとしてリモートワークが注目されています。ただ、今回ご紹介した回答にもあるように、その課題としてコミュニケーションの難しさが指摘されています。
確かに、私自身も Misoca 以前はリモートワークをしたことがなく、実際に、それも毎日やってみるとその難しさを痛感しています。これについては、ツールの活用やプロセスの見直しによって、情報や意思を円滑に伝えるという点においては改善できるのではないでしょうか。
ただ、私のように常時リモートワークで、メンバーと顔を合わせることがない環境では、実際にオフィスに出社し、他のメンバーと顔を合わせて作業したり雑談するなど、オフラインで交流する機会を定期的に設けることも重要ではないかと感じています。