こんにちは、弥生で新サービスのアーキテクチャ検討やエンジニアリングを担当している牛尾です。
今回はAmazon Web Services(以降AWS)さん全面協力のもと、AWSへのマイグレーションおよびモダナイゼーションプログラムであるExperience-Based Acceleration(以降EBA)なるものを体験してきたので、その知見を共有させていただこうと思います。
弥生が現在行っている取り組み
EBAについてお話する前に、まずは弥生が現在行っている取り組みについてお話させてください。
弥生は「あなたの事業コンシェルジュへ。」をモットーに、業務ソフトメーカーから、お客さまの事業を支え課題や悩みに寄り添う事業コンシェルジュへと進化し続けています。
事業コンシェルジュとしてお客さまへの価値提供をアジリティ高く行うために、組織・文化改革や開発プロセスの改善を行ったうえで本質的な価値を届けるための新サービス開発に現在取り組んでおります。
新サービスを運用するクラウドプラットフォームとしては、単なるプラットフォーマーを超えたサポートの手厚さなどから「AWS」を採用にすることに決定いたしました。
EBAを始める至った経緯
先程お伝えした通り、AWSさんからは幅広いサポートを提供していただいております。
- 「Office Hour」と題して、毎週決まった時間帯に各エンジニアから技術的な相談が可能
- AWSに関する大規模勉強会「Yayoi AWS Academy」開催の全面バックアップ
- 必要都度、AWS技術に関する個別勉強会を開催
- etc
EBAもその一つであり、クラウドネイティブな設計からMVP開発まで伴走してもらえる提案をいただけました。 更にこのプログラムは「無償」!もはや断る理由がないですね!!
※ Amazon Web Services, Inc. EBA KickOff資料より抜粋
EBAの流れ
アセスメント
EBAを開始する前に、対象となるアプリケーションの評価やモダナイゼーション計画の立案を行う「AMA」というプログラムを実施いたしました。
※ Amazon Web Services, Inc. AMA紹介資料より抜粋
まずは70問強あるヒアリングシートに回答して、その内容の深掘りを2回の打ち合わせに分けて実施。 この段階で弥生として参画しているのは私一人だったのですが、AWSさんによる的確なフォローの甲斐もあり、無事計画の立案までたどり着くことができました。
最後にAWSさんからAMA結果報告書をいただけるのですが、課題の整理から対策、具体的なアーキテクチャ案まであり、想像を遥かに超えて充実した内容でした。
これホントに無償??
パーティ準備期間
EBAはおよそ1ヵ月あり、最後の3日間は実際にチームが集まって開発を行う「パーティ」と呼ばれる期間、それまでの間がパーティの準備期間となります。
※ Amazon Web Services, Inc. アプリケーションのモダナイゼーションを加速するEBA https://aws.amazon.com/jp/blogs/news/application-modernization-acceleration-with-eba-202211/
準備期間で何をやるのかはそれぞれだと思いますが、弥生ではパーティで開発するサービスの基本設計や外部設計、CI/CD環境の構築などを実施。 また新サービスで用いる技術スタックや開発プロセスを全て刷新しているので、パーティ当日を想定して一連の開発プロセス(実装、テスト、デプロイ、など)をまわしてみることも行いました。
週に2回、火曜日と金曜日に開発チームとAWSさん合同での打ち合わせを行い、現在実施している内容の共有や妥当性確認、アドバイスなどをいただきました。 特にスクラムで進めていく中、スクラム経験の乏しい我々に対してスクラムイベントのあり方、考え方などに関するアドバイスをいただけたことは非常に有益だったなと振り返ります。
パーティ
弥生は基本的にリモートワークなのですが、パーティ当日は久しぶりにみんな集まって対面で開発を行いました。 スクラムマスターも普段は愛知県でリモートワークをしているのですが、パーティのために出張をしてもらっています!
※ Amazon Web Services, Inc. EBAモダナイゼーションパーティ運営資料より抜粋
パーティでは大きく2グループに分かれてそれぞれ別のAPIを開発。当日は弥生メンバーと同じくらいAWSさんにもご参加いただき、非常に贅沢なバックアップ体制で開発作業を進めることができました。
EBAのフレームワークが非常に完成されていること、またAWSさんの絶妙な盛り上げもあり、チームとして非常に学びがあり、かつ満足できる3日間となりました。
EBAを実施しての総括
AMAから数えて約4ヵ月という期間でしたが、全体を通して形式的なかたちではなく、本当の意味で一緒に伴走いただけたなという想いです。 AWSプラットフォームの知識はもちろん、モダンなシステムや開発プロセスに精通したAWSの方々から多くの知見を得ることができたEBAは弥生にとって大きな財産となったと確信しております。
全体を通して多くのAWSの方々に支えていただきました。改めまして本当にありがとうございます。
代表してAWSの飛鳥さんと平良さんより、コメントをいただくことができました。
AWS 飛鳥さんより
実はこのチームは多くの難題を乗り越えたチームです。何をするのかわからない、チームとしてのリソースが確保できない、チームに壁がある….などなど。担当された牛尾さんは、非常に不安だったと思います(苦笑)。 それでも「まず進めてみる」と、皆様がリーダーとなって決めてくれました。毎週毎週みるみるチームが変わっていく姿は非常に頼もしかったです。結果として日本でトップレベルのEBAの成功を収めていただきました。素晴らしいオーナーシップでしたね、改めて大成功おめでとうございます。
AWS 平良さんより
皆さんのモダナイゼーション開発を支援できたこと、非常にうれしく思います。メンバーがアサインされた当初は、発言も少なく、互いに遠慮しているようで、うまく進められるのか正直心配でした。しかし、「やってみる」、「振り返る」、「改善する」というサイクルを回し始めると、コミュニケーションがスムーズになり、それに伴い成果も出てくるようになりました。日に日に成長する皆さんの姿を見られたことは、支援者冥利に尽きます。ここからが、皆さんのモダナイゼーションジャーニーの始まりです。このジャーニーを楽しみながら歩んでください。
おわりに
弥生のEBA体験記いかがでしょうか。
我々の体験が皆さまの何かのお役に立てば幸いです。
そして弥生株式会社では一緒に働く仲間を募集しております! herp.careers