「ぞうぐみ」にかける思い

こんにちは、弥生でQAエンジニア兼スクラムマスターをしている、ぞうぐみ カトです。

「ぞうぐみ」って何?

私は「ぞうぐみ」のメンバーです。
私は現在、スマート証憑管理というプロダクトの開発に関わっています。
このプロダクトはスクラム開発手法を使っていて、2つのスクラムチームで開発を進めています。
2つのスクラムチームのうち、1つのチームが「ぞうぐみ」です。

最近、発表資料にも「ぞうぐみ」を入れています。 speakerdeck.com

speakerdeck.com

チーム名?

正直、私自身が「スクラムチームのチーム名って必要なの?」と思っています。

オンサイトの研修では、「まずはじめに、チームごとに自己紹介して、チーム名を決めて、アイコンを作ってください」というお題がでることがあります。
「お互いを呼び合うのに自己紹介が必要なのはわかる。チーム名とアイコンなんて、今日限りなんだからいらなくない?」「チーム名決めてる時間があるなら、研修の中身をはじめればいいのに」と、表面上は研修がうまくいくように笑顔で取り繕いながら、斜に構えていたひとりです。
仕事はゲームだと思っているので、「決められた時間内に自己紹介を終えて、チーム名を決めて、アイコンを描いたらクリア!」と考えていた部分もあります。
研修ではそんな感じで決めていたチーム名なので、自分がどんなチーム名に所属していたのかひとつも覚えていませんし、研修中にチーム名で呼ばれても自分のチームだと気づかず反応しなかったこともあったはずです。

たった1日の研修ならチーム名がなくてもよいかもしれません。
一方で、スクラムチームは、長く続きます。チームの一体感やコミュニケーションが重要です。
チームが共通の目標に向かっていくために、メンバーのつながりを強化していく必要があります。
チーム名をつけること自体が目標達成に直結することではないかもしれませんが、チーム名を全員で決めることが共感と愛着をもって業務を進めることの一つになるのではないかと考えました。
CSM研修でチーム名をつけることを学んだ私は、チームみんなでチーム名案を出し、投票で決めることにしました。

なんで「ぞうぐみ」?

スクラムチームに所属するメンバーのうち2人が、幼稚園で「ぞうぐみ」だったというのが大きな理由です。
「チーム名って必要なの?」と思っている私がチーム名を決めることになり、誰からも何の案も出ずに頓挫することを、何よりも恐れていました。
事前にチームメンバーとの1on1の機会があり、「チーム名どうする?」と話題に出したところ、偶然そのメンバーが幼稚園で「ぞうぐみ」だったことが判明し、「私も!私も!」と盛り上がりました。
全国各地に動物名の幼稚園があるのかな?「ぞうぐみ」のみんな、あつまれー!

「付箋にチーム名候補を書いて」と言われても、何もないところからチーム名を出すのは難しそうです。「ぞうぐみ」はネタのひとつとして使えるかもしれないと考え、付箋に「ぞうぐみ」と書いてみました。

「動物名いいね」から「うさぎさん」「カメさん」「アヒルさん」「北京ダック」…と動物に関連した付箋が並びます。
これはこれで楽しいけれど発散しない?チーム名決まるかな?と不安になりつつ、他の案も見ていきます。
「もう一つのスクラムチーム名が色の名前だから、併せて色の名前にする」という案や、外国語の単語案、チーム名を決める最中で出てきた会話からよさそうな単語を拾った案などたくさんの意見が出ました。
みんなが一歩引いた感じで、「チーム名なんてスクラムマスターが決めればいいじゃん」と言わなくて本当によかった。素敵なチームのみんな、ありがとう。

個人名が付箋にかいてあったので、ぼかしています

途中で「呼びやすい名前がいいから声に出してみよう」や「長い名前だったら略称も考えた方がいいかも」とわいわいします。
投票タイムでは、チーム名決めに参加していないはずの別のスクラムチームのメンバーがなぜか付箋にリアクションする場面もありました。ハプニングも含め、おもしろおかしくチーム名を決めることができました。

私は、イタリア語の「sfida(スフィーダ)」が、音も意味もかっこよくて好きでした。
以前所属していたスキーサークルの名前がドイツ語の「spitze(シュピッチェ)」だった記憶がよみがえってきます。私はスキーサークルでは30期で「spitze」の命名にまったく関わっていないのですが、おそらく「てっぺんをとろう!」みたいな意味合いだったのでしょう。
チームの会話の流れが動物に行ってなかったら、「sfida(スフィーダ)」を推していたと思います。

「スクラムチームにチーム名が必要なのかどうか」という点については、まだ結論は出ていません。
スマート証憑管理は2チームで開発しているので、この2チームを識別する記号は必要です。それが、「チームA」や「グループ1」ではなく、「ぞうぐみ」である必要があるのか、ないのか。
これについては、引き続き考えていきたいと思います。
ひとつ言えるのは、チーム名を活かすも活かさないも、チームメンバー次第ではありそうです。



ここからは、後付けでいいから、「ぞうぐみ」の名称を正当化していきます。

ぞうさん

スクラムには「3つ(プロダクトオーナー、スクラムマスター、開発者)の責任」や、「3つ(プロダクトバックログ、スプリントバックログ、インクリメント)の成果物」のように「3」がいくつか出ています。
「3」は、スクラムにとって、キーとなる値です。
都合よく解釈するべく、「5つ(スプリント、プランニング、デイリースクラム、レビュー、レトロスペクティブ)のイベント」を除外していることは把握しています。

ところで、みなさんは童謡「ぞうさん」を知っていますか?
おそらく日本で幼少期を過ごした多くの人にとって、初めて出会うワルツだと思います。(私が思っているだけです。調査はしていません。間違っているかもしれません。)
ワルツ……そう、3拍子です。童謡「ぞうさん」は、スクラムのキーとなる「3」にまつわる歌なのです。
ぞうさんは、「お鼻が長いのね」と、周りと違うことに対して受けた指摘に対し、「母さんも長いのよ」と堂々としています。みんな違っていいんです。
そんなぞうさんのように、私たちのチーム「ぞうぐみ」が「ぞうぐみ」流に進んでいくことに自信を持てる歌です。

私は、CSM研修のときも、ワルツの話しています。

3拍子なら「こいのぼり」でも「赤とんぼ」でも何でもいいんです。チームがスクラムの「3つの責任-5つのイベント-3つの成果物」を定期的に思い出す、きっかけになれば。

ということで、スクラム → キーとなる値「3」 → 3拍子 → ぞうさん → 「ぞうぐみ」と、ちょっとだけ強引な連想ゲームが成立しました。

象、死んだ魚、嘔吐

スクラムの、「5つのイベント」のひとつに、「レトロスペクティブ」があります。ふりかえりです。
私たちのチームは、ふりかえり手法KPT(A)をつかってスプリントごとにレトロスペクティブをしています。
チームで活動してからの期間が短く、チャレンジしている最中なので、続けたいこと(Keep)や、失敗して問題だと思っていたりチャレンジできなかったこと(Problem)がたくさん挙がり、今後試すこと(Try)が尽きない状態です。
しかし、ある程度の時間がたったら、Problemが見つからないことも、次のスプリントですぐ試せるようなTryが出てこなくなることもあるでしょう。
そんな時「必ず1人1つ以上出してください」と強制するのではなく、別のふりかえり手法もやっていきたいと考えています。
手段と目的を取り違えてはいけないですが、手段を変えることで今まで見えていなかったことが見えてくることもあります。
KPT(A)では見えなかったチームのよいことや改善したいことが、別のふりかえり手法を使うことで見えてくるかもしれません。

今後やってみたいふりかえり手法の一つに、チームの課題と向き合う手法「象、死んだ魚、嘔吐」があります。
手法名に出てくる「象」は、慣用句「The elephant in the room(部屋の中の象)」からとっているそうです。
部屋の中に象がいたら、明らかに異様で見えないはずはありません。ですが、あえて触れることを避け、タブーな話題や重大な問題を見て見ぬふりをする状況を意味しています。
そんな違和感のある象を「ぞうぐみ」として、自ら名乗ってしまうのです。

「ぞうぐみ」はそれぞれの違和感を大事にするチームを目指します。
そして、レトロスペクティブを含むチーム活動の場で、「こんなことをいったら空気を読めていないと思われるかな?」「進めにくいと思っているのは自分ひとりだけかもしれない」ではなく、「自分はこう思うけれどみんなはどう?」と 言えるチームにしていきます。
ということで、かなり強引ですが、「The elephant in the room(部屋の中の象)」に切り込み続けるチームという意味を込めてみます。



「ぞうぐみ」でやりたいこと

スクラムチームとして、「3つ(プロダクトオーナー、スクラムマスター、開発者)の責任」「5つ(スプリント、プランニング、デイリースクラム、レビュー、レトロスペクティブ)のイベント」「3つ(プロダクトバックログ、スプリントバックログ、インクリメント)の成果物」に忠実に業務を進めることで、お客さまに価値のあるサービスを届け続けること、関連するサービスの担当者やビジネスチームと連携をとり誰もが迷わずに価値を届けるための業務に専念できることを目標としていきます。
ここまでは、他のスクラムチームも似たようなことを掲げると考えています。

「ぞうぐみ」というチーム名が決まった時、「ぞうぐみのアイコンつくりたい」「ぞうぐみTシャツつくりたい」という声が出たことを、私は聞き逃しませんでした。
「難しいよね」「冗談でしょ?」とチーム内の雑談として閉じてしまって、このまま終了にしてしまうこともできるかと思いますが、私は、メンバーの声をぜひ実現したいと考えています。
それは、CSMやCSPOの研修を受講した際に、「スクラムはゲームだ」「スクラムチームが目標を達成できた際はご褒美があるべきだ」という内容があったからです。

動き出す前には、「本当にTシャツがほしい?実はパーカーの方が使い勝手がよい可能性は?」というような確認をした方がよいですし、グッズをつくるのに何から手をつけたらよいのかもわかっていません。
アイコンをつくれる人も探さなきゃいけないし……。
それでも、どんどんゲーム制を取り入れて、「ぞうぐみ」として、たのしんで業務に取り組んでいきます。



これからの「ぞうぐみ」の活躍にご期待ください。

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