リモートワークでも改善のサイクルを回す。Misoca流の「ふりかえり」を紹介。

こんにちは。 最近、スラムダンクの新装版を買ってバスケ熱があがっている @RyoKawamata です。気になるキャラは森重 寛です。

さて、今回はMisoca流のふりかえり についてまとめてみました。

ふりかえりというと、一つの空間に皆で集まり、ポスト・イットにKPTを書いてホワイトボードに貼って、、、というイメージがあると思いますが、Misocaはフルリモートワークの会社です。
リモートでどのようにふりかえりを行うのか?まだあまり事例がないものだと思うので紹介します。

ふりかえりとは?

最初にふりかえりの定義を確認。
ふりかえりはスクラムの文脈だとスプリントレトロスペクティブです。スプリントレトロスペクティブは、下記のように定義されています。プロジェクト、チームを継続的に改善していくために、とても重要なものですね。

スプリントレトロスペクティブは、スクラムチームに考える機会を与えるものである。チームで何が起きているのかを調査したり、自分たちの仕事のやり方を分析したり、改善の方法を見つけたり、改善の計画を立てたりする。(中略)スクラムフレームワークで最も重要で、最も使用されているプラクティスである。

(引用元: エッセンシャル スクラム 第22章 スプリントレトロスペクティブ)

使用ツール

ふりかえりで使うツールを紹介します。 ここで通常だとポスト・イットや、ホワイトボードなどが出てくるところですが、MisocaではTrelloとZoomを使います。

Trello

Trelloはカンバン方式でチケットを管理できるタスク管理ツールです。 これをポスト・イット、ホワイトボードの代わりに使います。 ふりかえり用のボードを作成し、一枚のカードが一枚のポスト・イットに、各リストがKPTのKeep, Probrem、Tryなどの分類に該当しています。

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Zoom

Zoomは高品質なビデオ会議ツールです。 それぞれリモートで参加するので音声通話、画面共有のためにZoomを使用します。 Zoomのミーティングルームに皆集合し、ファシリテーターがTrelloの画面を共有した上でふりかえりを行っています。

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ふりかえりの手順

ここからはふりかえりの手順を説明します。

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ふりかえり用ボード(イメージ)

1. 前回のアクションを確認

まず前回のふりかえりで出たActionの進捗を確認します。 ここで完了してたらDoneのリストに移します。また、何らかの問題で進められていない場合は、都度調整を行います。

2. タイムラインを確認(3分程度)

プロジェクトのタイムラインを別途ドキュメントツール(esa)にまとめているので、そちらを見ながらこのスプリントで何をやってきたのか思い返します。

3. KPTを一斉に記入(5分程度)

5分程度時間を図りながら、それぞれKPTのカードを一斉に記入します。 自分が書いたものには自分をアサインします。気になったカードがあれば、適宜コメント、投票等のリアクションをしていきます。

4. 一枚づつカードを共有(10秒/枚程度)

記入が終わったら、全体でカードを共有します。ファシリテーターがカードを一枚づつ開きながら、書いた人が10秒程度でサクッと説明していきます。 このタイミングで、気になったものがあれば、次の深堀りにつながるラベルをつけていきます。

5. ラベルがついたものについて深堀りの議論

4のカード共有の時にラベルがついたものについて深堀りの議論をします。 話した内容はファシリテーターが適宜、コメント欄でメモします。

6. Actionを洗い出す・担当者を決める

改善につながるActionを洗い出します。5の深堀りの段階で出てくることが多いですね。 またActionにはその場で必ず誰か担当者を決めて、カードにアサインします。

7. 共有カードを選ぶ

最後に全体に共有するカードを選び出しラベルをつけます。 このカードは週次で行っているふりかえり結果共有の全体ミーティングの際に発表します。

手順は以上です。一つのプロジェクト(4〜6人)の場合、全ての手順を行ってもで30分程度で完了します。

ふりかえりのポイント

情報の共有と議論を分ける

手順の4, 5の部分の通り、Misocaのふりかえりでは情報の共有と議論を明確に分けています。
理由としては、一つの議論が白熱して進行を妨げることを防ぐ、ラベル付けという一つのアクションを挟むことで、考慮の時間が生まれより深い話し合いを行えるからなどです。

全体への共有カードを絞る

プロジェクト内でのふりかえりだけでは、プロジェクトで得た知見が全体に広がりません。ただ全体に全てを共有しようとすると、今度は全体でのミーティングが長引き、結果として生産性が落ちてしまいます。

その問題を解消するため、Misocaではふりかえりの最後に共有のカードを選び出すというステップを加えています。これを行うことで、大事なことは全体に共有しつつ、ミーティング時間を削減しています。

Actionには必ず誰かがサインアップする

ふりかえりでありがちなのが、毎回Actionは生まれるものの実行できず、ただタスクが積み上がっていくことだと思います。 その理由は、Actionが明確ではなかったり、そもそも時間がなかったりと色々あると思うのですが、大きな理由のひとつは「誰かがやるだろう」という傍観者効果によるものが多いと思います。

Misocaではそれを回避するため、毎回Actionが出た際には必ず誰かがその場でサインアップします。粒度によっては、複数人サインアップして協力して進めることもあります。 そして、毎回のふりかえりの前に前回のActionの進捗を確認することで、Actionが風化することを防いでいます。

終わりに

以上、Misoca流ふりかえりの紹介でした。
私自身Misocaに入社してもうすぐ1年という所ですが、実際にこのふりかえりによって、プロジェクトの運営からプロダクトの開発規約、組織の制度的なものまで改善されていく過程を見てきました。ふりかえりとても大事ですね。

他、開発チームの@mugi_unoがMisocaのミーティング・ふりかえりについてまとめたスライドもあります。よろしければこちらもどうぞ。

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