QAエンジニアがプロジェクトマネジメントにトライすることになった話

自己紹介

この記事は弥生 Advent Calendar 2023の6日目の記事です。

こんにちは、弥生で「弥生会計オンライン」の開発プロジェクトのsubPM*1を担当しているシダタクです。
今回はタイトルにある通り、QAエンジニアからのキャリアチェンジについてお話しします。

私は2021年12月に、弥生にQAエンジニアとしてジョインしました。
弥生内では「QL(クオリティリーダー)」と呼ばれるポジションです。
弥生のQA業務については、ぜひこちらの記事もご覧ください tech-blog.yayoi-kk.co.jp

前職も含めると、2019年頃からQAエンジニアとして活動していたので、前職の経験も活かして業務に励んできました。
一方で私のキャリアには「プロジェクトマネジメント」のプの字もなく、PMはあまり縁のないポジションでした。

PMに挑戦することとなった話

そんなある日のこと、とある社内のエライ人から急に打ち合わせに呼ばれました。
何かやらかしたかな…とビクビクしながら話を聞くと…

シダタクさんsubPMやってみない?

という話でした。 社内事情により、subPMのポジションが空席となったため、そこへの異動を打診された形です。
そこで私は一瞬悩んだふりをして

はい、やります!

と無謀にもオファーを受けることとしました。

私自身、QAエンジニアとしての業務は望んだものであり楽しくやっていました。
ただ一方で、今後の自身のキャリアを考え、より影響力の強いポジションを目指していたのも事実です。
そんな中での打診だったので、これは千載一遇のチャンス!!と、ハイエナの如く食いつきました。

とはいえ、前述の通り私はプロジェクトマネジメント業務は未経験です。以下のような不安がありました。

不安
メインのPMが他作業を複数兼務しているため、自身に実質的なPMとしての動きが求められる
QA業務を生業にしてきたので、技術面の知見に乏しい
プロジェクトマネジメントの基礎が備わっていない
他システムの動向などをどう探ればいいかわからない

ただ、何かあっても「自身を選出した会社と上司の責任だから、大丈夫大丈夫~♪」と、できるだけ気楽に始めるよう、自分に言い聞かせました。

2か月続けてみた

時の流れは早いもので、もう12月です。
このブログを読んでいるということは、私は既にプロジェクトにはいないでしょう・・・
ということはなく、何とかsubPM業務を全うできております。

さて、実施前の不安についてはどうなったでしょうか?

不安 結果
メインのPMが他作業を複数兼務しているため、自身に実質的なPMとしての動きが求められる 却ってメリットになった
QA業務を生業にしてきたので、技術面の知見に乏しい テクニカルリーダーを頼る
プロジェクトマネジメントの基礎が備わっていない 社内に研修があった
他システムの動向などをどう探ればいいかわからない 各種ミーティングでキャッチアップできる仕組みができていた

それぞれ簡単に説明します。

自身に実質的なPMとしての動きが求められる

元々、PM/subPMの役割分担は社内で明確化されていないため、その役割や責任範囲はチームごとに異なります(subPMが居ないチームもあります)
私のチームの場合、メインのPMが兼任で大変な状況なのはわかっていたので、役割分担を「PMという立場でしかできない業務以外*2は、全てsubPMが担当する」としました。
一見無謀な分担に見えますが、個人的には
・一通りの業務を経験できるため、より早く成長ができる
・メインPMという後ろ盾があるため、思い切った動きができる
・なにかあった場合は、実質的にPMが2人いる形で分担して対応できる
といったメリットを感じることができています。

技術面の知見に乏しい

弥生では以下のチーム構成でプロジェクトを運営しています。

テクニカルな領域には、TechL(テクニカルリーダー)という頼れる存在がいるため、技術的な相談は彼らに一任しています。

テクニカルリーダーについては、過去にもくテクで取り上げたこともあります。 ログミーTechさんにまとめて頂いた記事がありますので、ぜひこちらも参照ください。

logmi.jp

自身としても技術的要素を勉強する、という選択肢もありましたが、それよりも、PMとしてプロジェクト全体を俯瞰し、問題を早期発見・対策することでプロジェクトを成功させるというのが何よりのミッションであるため、ここは完全に作業分担しています。 なにか問題があった場合には、TechLの意見を踏まえて意思決定を行っています。 (TechLには足を向けて寝れません。)

プロジェクトマネジメントの基礎の不足

弥生では研修制度も充実しており、新任のPM向けの研修もあります。 これは弥生社員が講師として実施するものであり、一般的なPM論というよりは、弥生のPMとして必要なマインドを教えてもらうものです。
一般的なPM論は書籍などで学習できるものの、PMとしての実務で求められる動きは、会社や組織、チームごとにバラバラなのが実態です。 そんな中で「弥生という組織内で求められる動き」を早々に学べたのは、非常に大きかったと感じました。

他システムの動向のキャッチアップ

弥生には多種多様なサービスがあり、それらの開発プロジェクトがあります。 また、製品・サービス開発だけでなく、外部告知や営業活動などのマーケティング活動を行う部や、お客様のサポートを行う部門なども存在しています。 各ポジションの代表者が一同に集まって情報共有を行うミーティングが、複数種類・定期開催されているため、そこで最低限必要な情報を得ることができました。

ミーティングの拘束時間が多いというデメリットはあるものの「情報を得る機会がある」というのは大きなメリットだと感じています。
(当然ですが、より深い情報を得たい場合は、ある程度自分で動く必要があります。)

余談ですが、前職はコンサルファームのような側面もあったことから、基本的に情報は自分から積極的に取りに行く必要がありました。
そこから考えると、情報収集のハードルは大きく下がったと感じています。
一枚岩で動けるのは、事業会社の強みであると強く感じています。

今後の課題

前述の通りチャレンジのし易い環境であったため、滑り出しは順調でした。
一方で、自身の判断力やリード力には力不足を感じているため、基礎を盤石にすることで自信をもって振舞えるようになるのが目下の課題です。

また、技術的な部分はTechLに任せているとはいえ、自身としても広く浅く理解する必要があると考えています。 理由として、技術的な話が上がったときに「これは〇〇さんに聞けばいい」「これはチーム内での解決は困難なため、情報システム部に相談が必要」といった一次切り分けが必要なためです。 無駄な情報を回すことでチームのパフォーマンスを低下させることは避けたいため、最低限の知見は必要であると考えています。

おわりに

私のようにキャリアチェンジ/キャリアアップしたQAエンジニアもいれば、QA業務に全力投球しつづけるQAエンジニアもいます。 多種多様なキャリアに寄り添ってくれると言う意味で、非常に恵まれた環境だと感じています。

私自身、折角チャレンジの機会を得たので、今後はメインのPMとなれるよう努力していきます。 今後の成長や苦難なども本ブログで綴っていきたいと考えてますので、お楽しみに。

弥生では、一緒に働いてくれる仲間を募集しています。 QAエンジニアもプロジェクト責任者も募集中です。

herp.careers

*1:subPM…サブプロジェクトマネージャーの略

*2:各種承認など、PMとして責任を負うべき業務